まず最初に80歳になれたフェドセーエフさんに対しまして心よりお祝い申し上げたいと思います。
今日の主人公でありますフェドセーエフさんについて、少しですがご紹介をさせて頂きたいと思います。
既にご存知の方も多いと思いますが現在世界最高峰の位置にある名指揮者で今年の8月5日に80歳になられました。
1932年レニングラード(現サンクトペテルブルク)に生まれ、ムソルグスキー学校、モスクワのグネーシン特別音楽大学、モスクワ音楽院に学ばれました。
1971年に、あのエフゲニ・ムラヴィンスキーよりレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の客員指揮者として招かれた事をきっかけに現在は今回共に来日した
チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(旧モスクワ放送交響楽団)の音楽監督・主任指揮者として現在なお、世界の聴衆を魅了し続けています。
そのお人柄はとてもお優しい心の持ち主で、また大の親日家でもあります。
小山さんとの付き合いは長く、小山さんが1982年に入賞したチャイコフスキーコンクールの時のコンチェルトを指揮した間柄なのでかれこれ30年に渡る間柄になるのです。(たぶん小山さんが正式にコンチェルトを共演された始めて指揮者ではないかと思いますが、後ほど確認をさせていただき、もし違っていましたら修正させて頂きます)
また今回弾くラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番は2003年にフェドセーエフさん率いるモスクワ放送交響楽団の皆さんとCD録音をされています。
また、小山さん、フェドセーエフさんが所属されています
AMTIの情報によりますと、フェドセーエフさんはこれまでの偉大な功績に対し、ロシア政府はもちろんオーストリア政府、ウィーン市、オーストリア・アカデミー、グスタフ・マーラー協会などから数々の賞を受賞。2012年9月にはロシア正教会の最高位、キリル総主教からセルギイー・ラドネジスキー最高位の勲章を叙勲されています。また80歳のお誕生日には
プーチン大統領からもお祝いの祝電を頂いたとの事です。
フェドセーエフさん、モスクワ放送交響楽団(当時の名称)の皆さんと小山さんの共演は下記の通りです。
2012年10月13日 鎌倉芸術館
2010年2月5日 モスクワ公演
2004年5月22日 埼玉会館
2004年5月25日 アルカスSASEBO
2004年5月27日 松戸聖徳大学川並香順記念講堂
1999年7月1日 サントリーホール
1999年7月3日 びわ湖ホール
1999年7月5日 高知県民文化ホール
1999年7月7日 九州厚生年金会館
1997年11月21 日岡崎市民会館
1997年11月26日 東京芸術劇場
1997年11月28日 オーチャードホール
1997年12月2日 松戸聖徳学園川並記念講堂
1999年12月4日 焼津市文化センター
1995年9月30日 鳥取県民文化会館
今後の予定は
2012年10月14日 アルモニーサンク北九州ソレイユホール
2012年10月16日 サントリーホール
2013年4月10日 モスクワ公演
と言うことで、小山さんとフェドセーエフさんはとても縁の深い間柄なのです。
今日は古都鎌倉にある鎌倉芸術館でのコンサートでこのツアーの初めてのコンサートになります。
さて客席に着くと間もなくチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラの皆さんが舞台に登場、いきなりロシアの香りが漂って来ました。
総勢100名近い楽団の皆さんが舞台に揃うと、その迫力たるや凄いものがあり、そのオーラの凄さに圧倒されっぱなしです。そしてフェドセーエフさんが、登場されましたが本当に80歳?になられたのか??その足取りもさることながら風貌も僕よりもずっと若いです!2004年の埼玉会館以来なので8年振りになりますが、当時と全く変わりないです。
まずはヴォカリーズ。凄い!弦の響きがまず違う。何という艶やかで重厚な響きなのだろう。この素人の僕でさえいつも聴く響きとは明らかに違うもの感じました。これがロシアの響きなのだろう。そしてラフマニノフの真髄を本場の名演で心置きなく聴く事が出来ました。指揮をされているフェドセーエフさんは背筋がピンとして、その凛とした指揮からは本当に年齢を感じさせるものはなく、エネルギッシュで重厚なフェドセーエフさんの演奏をたっぷりと楽しませて頂きました。
そして舞台の袖に戻り、次は小山さんと共に舞台へ。待ちに待ったフェドセーエフさん、チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラの皆さんとのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番です。本場ロシアの香りの中で小山さんは思う存分に聴かせてくれました。カデンツァでは、僕も感情を抑える事が出来ず、思わず涙する寸前の状態となりました。
目を閉じるとそこにはロシアの大地が広がり、そして甘く香る大地の風が優しく包んでくれる様な・・・もうこれ以上の喜びは無いですね。フェドセーエフさんも、小山さんも恐らくあの30年前の初共演の事も感じながらその長い年月の数々の喜び、苦難の全てが凝縮されて音として表現されているのでしょう。
演奏が終わるとその喜びがジワジワと込上げて来て、観客の皆さんのブラボーと拍手はいつまでも鳴り止まないでいました。本当に素晴らしかったです!!!チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラの皆さんも、その観客の反応に気付かれて思わず笑みがこぼれていましたね。小山さんも感無量だったと思います。
そして休憩時間を挟み、後半はチャイコフスキーの悲愴。
これがまた凄い名演でした!深い味わいと重厚な響き。なぜこうも違うのだろう。と素人ながら深く思いました。
やはりこれが本場の香りなのだろうとしみじみ思いましたね。
アンコールも手抜きをしない事で有名なフェドセーエフさん。2曲もタップリと聴かせてくれました。
スヴィリードフ:交響組曲「吹雪」より、ワルツ・エコーとチャイコフスキー:「白鳥の湖」よりスペインの踊り、カスタネットの響きがいつもまでも心に響いていました。
あっと言う間の2時間でしたが、古都鎌倉で本場ロシアの音楽を心より楽しむ事が出来ました。
終演後はサイン会がありました。小山さんと、何とフェドセーエフさんが並んでのサイン会です。
僕もこの列に並び、マエストロに素晴らしい音楽をありがとう、サントリーホールにも伺います、と通訳の方に伝えて頂くととても喜んで下さいました。そして握手もして頂きましたが、思っていたよりも柔らかい手で、勿論暖かな手でした。
小山さん、そしてフェドセーエフさんとチャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラの皆さんはこれから福岡へ向かうとの事で、お疲れの中を本当にありがとうございました。
火曜日のサントリホールでまた会える事を楽しみにしつつ鎌倉を後にしました・・・・・
※ サントリー公演、きっと素晴らしい一夜を過ごせると思います。
当日券あると思いますので、皆様も、是非ご来演ください!
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こちらです(当日券情報は、10月16日(火)にサントリーホールのHPに掲載されると思います)
このコンサートをお聴きになられた方がいましたら、是非感想をお寄せください =>
こちらです
今日のお勧めの1枚です!
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調作品30、ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調作品36
1 ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30 2
ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調 作品36(1913年初版)
指揮: フェドセーエフ(ウラディーミル) モスクワ放送交響楽団
レコードNo. SIGC-24 盤種 スーパーオーディオCD 発売日 2003年8月6日 組枚数 1枚 曲数 2曲
発売元 ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル 販売元 ソニー・ミュージックディストリビューション
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