今日は朝からとても素晴らしいお天気です。
日差しが当たる所では、少し汗ばむ位の陽気です。
そのためか、渋谷の街も人で溢れていました。
文化村に着くと、まずToday's Programs の案内が目に飛び込んで来ました。
ロマンの旅 第14回 15:00 からと表示されています。
そしてオーチャードホールの入り口に着くと入場を待つ沢山の人が列を成していました。
エスカレーターを降りる所からホールの入り口まで列が繋がっていました。
入場を待つ瞬間。このワクワクした気持ちは何とも言えず心地良いものです。
そして入場時間となり、チケットを片手に皆さん入場されています。
チラシの中に新たなコンサートを発見しました!オーチャードホールでのニューイヤーコンサートです。
2013年1月2日・3日 15:00 オーチャードホール ラフマニノフ・パガニーニラプロディーです!!!!
小山さんの出演は決まったばかりの様です=>
こちらです
そして客席に着くと照明が落とされ雰囲気は盛り上がってきます。
〜夜のしじまに〜と黒がテーマですが、舞台の花も黒を基調としたとてもゴージャスなものです。
先日のレクチャー&サロン会でも花の一部ですが飾られていましたが、黒の花と言うのは存在しないので色を着色したりかなり手間が掛かっている様です。
小山さんも勿論黒に赤い刺繍が施された素晴らしドレスで照明の光に鮮やかに照らしだされていました。
花、ドレス、そしてピアノと3つの黒で絶妙な雰囲気を醸し出していました。
まずはシューマンの森情景です。目を閉じて暗闇の森の中を散策する。鳥が不気味な声を上げて飛び回る。
小山さんのピアノと共に森の中を散策し、そして森から出ました。今日のスタインウェイも最高のコンディションでした。
小山さんの指から放たれる1音1音がホールの中を鮮やかに響き渡ります。
曲が終わっても長い間静寂が続きました。このコンサートは小山ファンで溢れていますが、皆さん曲の聞き方を心得ていましてピアノから小山さんの指が離れた後も静寂が続き、そして酔いしれています。
2曲目のラヴェル、本当に素晴らしかった!勿論その素晴らしさは言葉では表現できませんが、目頭が熱くなり、そして鳥肌が立つ、そんな感覚で「夜のギャスパール」を聴きました。ラベルの音の世界。満喫しました!
休憩時間。いつもならホワイエに沢山の人が繰り出しているのに皆さんの殆どが客席に。前半の興奮覚め止まず自席に佇んでいる様に思えました。
そして後半のショパンの2曲。僕の一番好きな曲が続きます。
壮大なノクターンの第13番。何とも形容し難い物悲しげなショパン。胸が締め付けられる想いで聴きました。
バラードの第4番。何度聴いても素晴らしい!小山さんのショパンで何度涙したことか・・・・・
スクリャービンのソナタ 第9番「黒ミサ」、このプログラムを一番象徴している曲でその暗黒の世界にただただ浸っていました。
グラナドスの音の響き。酔いしれるならこの曲ですね。スペインの香りが場内を包み込みました。
今日の選曲も本当に絶妙な配列で息も切らせぬこの感動は小山さんならではのプログラミングだと思いました。
最後はシャブリエ。小山さんのピアノで聴ける唯一の時間。至福のひと時を上げなさい。と言われたら、まずはこの時間を上げたいと思います。
今日のコンサートは静寂もテーマの一つになっていました。
素晴らしかった事は聴衆の皆さんがこの事を十分に理解されていて、曲が終わった後の静寂の時間を十分に味わっていたこと。そして更に驚いた事はブラボーの叫びが一度も無かった事。本当に皆さん、今日のテーマを理解されていたのだなと。その事にも大きく感動しました!アーチストと聴衆が一つになったコンサート。「小山実稚恵の世界」も成熟期を向かえ、このシリーズの持つ意味を聴衆の皆さんが理解し楽しまれている。真の意味で芸術の極みをこのシリーズは示していると感じました。
アンコールは3曲。 ショパンのノクターン 第1番、そしてあまり耳にしないヴィアルドのセレナード。そして最後はスクリャービンの左手のためのノクターンで優しく場内を包み込み終演となりました。
次の第15回が楽しみです・・・・・